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英FTSE100企業で障害のある従業員の割合を数値で公表するのは12社、2021年と同数。ActionAble調べ

英国企業で障害のある人のインクルージョン(包摂)を高めようとする運動のActionAbleは、英国の上場大手100社(FTSE100)の障害に関する報告を調べる年次の指標を新たに設け、その初回となる「ActionAble Disability Index FTSE 100 2026」を2026年10月8日付で公表した。障害のある従業員の割合の数値を公表している企業は現在12社にとどまり、残る88社は、障害がある、または長期の健康状態を抱えると申告した従業員の割合を、基準となる数値として公開していない。

ActionAbleは、社会的インパクトの支援会社ImpactMatchの最高経営責任者(CEO)らが共同で創設した運動で、現在は障害のインクルージョンを取締役会や経営陣の意思決定の中心に近づけることを目指す。指標はDFN慈善財団(DFN Charitable Foundation)、The Valuable 500と組んで発行した。著者は、ImpactMatchのCEOとともにActionAbleを創設したサラ・ウェラー(Sara Weller)。指標では、障害のある従業員の割合と申告のデータを各社がどう報告しているかと、障害者の賃金格差報告の導入への備えを調べた。

数値を公表している12社の間でも、開示の度合いには大きな差があった。主要な年次報告書に障害の指標を載せているのは5社、障害者の賃金格差の数値を公表しているのは3社、障害のある従業員の割合に明確な数値目標を定めているのは3社にとどまる。公表している企業の数は2021年と同じで、5年前に公表していた企業のうち現在も続けているのは4社だけだった。

報告書は、前進している企業の例と、取締役会や経営者、投資家、政府が取れる実務的な行動を示した。事例として、透明性の向上や従業員との信頼づくり、申告率の改善などに異なる方法で取り組むBT、HSBC、セントリカ(Centrica)、SSE、オートトレーダー(Autotrader)の5社を紹介した。セントリカのグループCEOは、障害のある従業員の割合を2030年までに20%にする同社の目標に触れ、自社のデータは完全ではないが、公開することで説明責任を保てると述べた。

ActionAbleは、職場での障害への理解は人材の獲得と定着に欠かせず、障害のある顧客を考慮しない企業は新たな事業を逃すおそれがあると説明する。データは従業員の申告に頼るうえ、障害や長期の健康状態の多くは外から見えないため、申告すれば不利益ではなく支援につながると従業員が信じられる職場と信頼が欠かせないとも指摘する。

英国政府は2026年3月25日、従業員250人以上の企業に障害と民族の賃金格差報告を義務づける制度を導入する方針を示し、協議への回答の中で新しい法律の条文の試案も示した。ActionAbleによると、制度の規則はまだ発表されていない。ActionAbleは規則を待たずに準備を始めるよう企業に呼びかけ、取締役会には、2010年平等法の定義に沿った障害のある従業員の割合と申告のデータの収集や、賃金格差報告の予行(シャドー報告)、当事者の従業員の声を直接聞くことなどを求めた。報告の要素がすべてそろうのを待たず、まず測って公表し、改善を重ねる「完璧より前進(progress not perfection)」の考え方も勧める。

ウェラーは「取締役会は見えないものを管理できない」と述べ、企業を名指しで批判することが目的ではなく、自らの現状と残る課題を進んで明らかにする組織を評価したいと語った。

【報告書】ActionAble「Disability Index FTSE 100 2026 Report」
【参照サイト】ActionAble「Businesses risk missing out on talent and customers if understanding of disability does not improve, new FTSE 100 Index finds」
【参照サイト】英国政府「Government commits to introducing mandatory ethnicity and disability pay gap reporting for large employers」

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Springl編集部

サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。