ニュース / 人的資本・DEI
無期転換者を正社員に登用する可能性がある企業は2割強。労働政策研究・研修機構調査
労働政策研究・研修機構は10月23日、正社員と非正社員の中間にあたる雇用区分と、非正社員が正社員に移る実態を調べた報告書を公表した。有期雇用から無期雇用に転換した非正社員がいる企業に、フルタイムの転換者について聞くと、いわゆる正社員へ転換できる仕組みがあるのは69.5%だった一方、いずれ正社員に登用する可能性があると答えたのは2割強にとどまった。
アンケートは、無期転換ルールで無期雇用になった非正社員の処遇などを把握するため、パートタイム・有期雇用労働法の見直しに向けた厚生労働省の要請で行った。無期転換ルールは、同じ雇い主との有期契約が通算5年を超えた人の申し込みで無期契約に転換する労働契約法の仕組みだ。2024年8〜9月に企業規模10人以上の1万5,000社と、無期雇用の5万人に配り、3,944社と8,154人が回答した。速報値は2025年9月に厚生労働省が審議会に報告済みだ。機構は2025年3月、非正社員から正社員に転換して3年以内の59歳以下の20人に聞き取りをした。
アンケートでは、配置転換や賞与など多くの項目で、職務や勤務地、労働時間のどれにも限定がないいわゆる正社員の実施・適用の割合が最も高かった。限定のある多様な正社員が続き、非正社員はフルタイム、パートタイムの順だった。正社員を望む無期雇用の非正社員には、いわゆる正社員より多様な正社員を望む人が多かった。入社時に有期だった無期雇用のフルタイムの人のうち、2割以上が多様な正社員を望んだ。
聞き取りの20人のうち、無期転換を経て正社員になったのは1人で、勤務地限定正社員になったのは4人だった。機構の分析では、20人の転換の多くは家庭の事情の変化や企業の人手不足などで説明でき、職業訓練や資格の取得が関係したとみられる例は少なかった。
機構は、多様な正社員の区分が、正社員に移る非正社員の受け皿として重要な役割を担っている可能性を示した。一方、無期転換者が正社員への足がかりになっている実態は十分には確かめられなかったとした。具体的な数字はないが、社内で正社員に移る人は今も有期雇用の非正社員が主流の可能性が高いとみている。
この記事を書いた人
Springl編集部
サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。














