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東京大学、TNFD採用企業228社の生物多様性開示を2019年と比較。2023年は自然への依存が大きい企業ほど充実の傾向
東京大学大学院農学生命科学研究科の博士後期課程の中尾圭志と香坂玲教授の研究グループは10月14日、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)に採用企業として登録した非金融企業228社について、TNFDの枠組みの公開前後にあたる2019年と2023年の生物多様性の開示の質を比べた研究を発表した。開示の質は全体として高まり、2023年には、自然への依存が大きい企業ほど開示が充実する傾向があった。論文は10月に学術誌Environmental and Sustainability Indicatorsでオンライン公開された。
研究グループは、評価・取り組み・目標設定の3つの面から開示を点数にし、バリューチェーンのどこまでを扱うかや、自然への影響と依存の扱いも評価する指標「BDPI」を作った。各社が自然に与える影響と生態系サービスへの依存の大きさには、ENCOREに基づく業種別の点数を使い、企業規模などとあわせて回帰分析をした。ENCOREは、業種ごとに自然資本や生態系サービスとの影響・依存の関係をつかむのに使うデータベース・ツールだ。
分析では、開示の質と有意に関連する要因は、2019年が企業規模と自然への影響、2023年が企業規模と自然への依存で、2023年には影響は有意でなくなった。
研究グループによると、この結果は、TNFDの採用企業の間で、自然への影響に加えて、生態系サービスへの依存や、依存に伴う事業上のリスクも含めて開示する重要性が増しつつあることを示唆する。影響に加えて依存も重視するTNFDの枠組みが、こうした傾向を方向付けるのに寄与している可能性もあるとした。
一方、研究はTNFDの採用企業だけを対象にした観察研究で、すべての企業に一般化したり、TNFDの導入による直接の効果と断定したりするには慎重さが要るという。各社の影響・依存は、業種別の推計値を事業の構成に当てはめて評価したもので、企業の実態を完全に反映したものではないとも断った。
【プレスリリース】東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部「企業の生物多様性情報開示は「影響」から「依存」へ? ――TNFD採用企業228社のTNFD前後の開示を比較――」
【参照サイト】Elsevier「Shifting from impact to Dependency?: Determinants of corporate biodiversity reporting among TNFD adopter firms」
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Springl編集部
サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。














