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国際エネルギー機関、データセンターの系統統合で6原則を提示。大口需要の費用とリスクの公平な配分などを求める
国際エネルギー機関(IEA)は10月14日、データセンターを電力系統に組み込むための政策や規制、企業の戦略を調べた報告書「Powering Artificial Intelligence」を公表した。G7議長国のフランスの要請で作成し、世界のデータセンター容量の90%を占める34の国・地域を対象にした。AI時代のエネルギーの手頃な価格や持続可能性、エネルギー安全保障の確保に役立ちうるとして、意思決定者に向けた6つの原則を示した。
報告書によると、データセンターへの投資が世界で急増するなか、電気料金や排出、水使用などへの影響に懸念が高まっている。IEAの分析では、データセンターの系統への統合を方向づける政策・規制は世界に134ある。
米国のバージニア州北部やテキサス州、フィンランドなどでは、データセンターの接続の申請は、すべて実現すれば系統の現在のピーク需要を上回る。ただし、接続待ちの案件には重複や投機的なものも含まれる。原則には、計画中のデータセンターの立地と電力消費の特性を明確かつ透明にすることを挙げた。実現性が高く熟度の進んだ案件を優先する、透明で予測可能な系統接続の手続きの整備も求めた。
データセンターをより早く系統につなぐ手段として、政策担当者や規制当局はノンファーム型接続の提供を増やしている。ノンファーム型接続は、あらかじめ決めた条件のもとで系統運用者が電力の使用を制限できる接続で、IEAの分析では、世界の系統の受け入れ容量を750〜900GW追加できる可能性がある。原則は、データセンターが系統の柔軟性や安定性、持続可能性などに積極的に寄与できるようにする、明確な枠組みづくりも挙げた。
データセンターの電力消費に伴うCO2排出量は現在約1億5,000万トンで、IEAの中心シナリオでは2035年に約3億5,000万トンへ増え、世界のエネルギー起源の排出量の約1.5%になる見込みだ。AI専用のデータセンターでは、9月時点で、確認できた容量の約34%が、水ストレスが高いか極めて高い地域にあった。原則は、エネルギーと水をいつ、どこで、どう使うかの複雑さを踏まえ、両者の効率を一体で考えるよう促した。
報告書は、データセンターが電気料金に与える影響は一概には言えないとする。新しい大口需要のための投資を全利用者から回収すれば、ほかの需要家の料金を押し上げうる一方、データセンターが既存の設備をより活用し、応分の費用を払えば、料金への圧力を和らげうる。大口需要向けの料金に最低支払額の確約や長期契約などを組み込めば、需要が見込みどおりに生じないリスクにほかの需要家がさらされる度合いを減らせる。原則には、大口需要の費用とリスクを公平に配分する、透明で調整のとれた料金の枠組みを盛り込んだ。
最後の原則は、対話と経験の共有を意思決定の中心に置くことだ。報告書は、多くの施策は導入から日が浅く、効果はまだ十分に確かめられていないとして、決定的な評価ではなく、G7の国々などで出始めた手法を整理したものと位置づけている。
【報告書】国際エネルギー機関「Powering Artificial Intelligence」
【参照サイト】国際エネルギー機関「Powering Artificial Intelligence: Strategies for integrating data centres into electricity systems」
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Springl編集部
サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。














