ニュース / カーボンニュートラル

カーボンニュートラル国際

欧州委員会、化石燃料の輸入業者などに課すメタン規則の義務の一部を1年延期する案を提示。欧州議会とEU理事会の採択が必要

欧州委員会は10月14日、エネルギー部門のメタン排出削減を定めたEUのメタン規則のうち、化石燃料の輸入業者などに課す義務の一部の適用を1年遅らせる改正案を発表した。対象は、原油・天然ガス・石炭の輸入業者による監視・報告・検証の義務と、輸入業者と域内の生産者のメタン強度に関する規定。改正案は欧州議会と理事会に送られ、両者が採択すれば成立する。

現行の規則では、輸入業者は2027年1月1日から、2024年8月4日より後に結んだか更新した域外産の化石燃料の供給契約について、生産者の段階で規則と同等の監視・報告・検証の措置が取られていることを示し、報告しなければならない。改正案はこれを、2029年5月31日を初回に毎年、前年の供給分について示して報告する形に改める。メタン強度の報告と、強度が上限値を下回ることを示す義務も、初回の期限をそれぞれ2028年8月5日から2029年8月5日に、2030年8月5日から2031年8月5日に遅らせ、以降は毎年5月31日とする。

欧州委員会は理由として、中東の紛争に伴う世界のエネルギー市場の逼迫が欧州の市場に圧力をかけていることを挙げ、延期は輸入化石燃料の安定供給にさらなる圧力がかかるのを避けるのに役立てる狙いだとした。改正案によると、輸入業者からは、規則に適合したエネルギーを2027年1月1日から十分に確保できないおそれがあるとの声が出ていた。延期で、加盟国が罰則制度の採択を終えたり、各国の認定機関が検証機関を認定したりできるようになる。

欧州委員会は、改正案は規則の実体的な規定を変えず、加盟国や事業者に新たな義務も加えないと説明する。延期の間は、規則の実施と安定供給の状況を注視する。採択されれば、改正規則はEU官報掲載の20日後に発効する。同委員会は、規制の確実性を保つには、欧州議会と理事会の速やかな合意が欠かせないとしている。

【プレスリリース】欧州委員会「Commission proposes flexibility to methane importers to help save costs」
【参照サイト】欧州委員会「Proposal amending Regulation (EU) 2024/1787 on the reduction of methane emissions in the energy sector」

この記事をシェア

この記事を書いた人

Springl編集部

サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。