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欧州理事会、EU排出量取引制度の見直しで炭素価格の変動抑制が必要と改めて表明。ETS2の影響評価の更新は欧州委員会に要請

加盟国の首脳らでつくる欧州理事会は、10月15、16日の会合で採択した結論で、EU排出量取引制度(ETS)の見直しが進むなか、炭素価格の変動を抑え、電力価格への影響を和らげる必要があると改めて示した。建物や道路輸送などを対象に2028年に本格的に始まる新しい排出量取引制度(ETS2)については、設計と安全策をはじめ、あらゆる影響の評価を更新するよう欧州委員会に求めた。

結論は、欧州の産業の競争力を支えるため、よく機能し、透明で予測可能な炭素市場を急いで確保し、炭素リーケージを実効的に防ぐ必要も改めて示した。投資と技術革新を促す市場の炭素価格のシグナルによって、ETSが気候とエネルギーの移行で果たす欠かせない役割は保つとした。エネルギー価格を構造的に下げるうえでも、エネルギー移行が引き続き最も有効な戦略だと強調した。

結論はまた、高いエネルギー価格への対応がきわめて重要だとしたうえで、市場安定化リザーブをめぐって進行中の立法手続きを、過度な価格変動を和らげるために速めるよう、欧州議会とEU理事会に求めた。市場安定化リザーブは、市場への排出枠の供給の不足や過剰を規則に基づいて和らげる仕組みで、既存のETSにあり、ETS2にも設けられる。ETS2は建物や道路輸送などでの燃料の燃焼によるCO2の排出を対象とし、排出量に見合う排出枠の納付を燃料の供給事業者に求める。

EU理事会は加盟国の閣僚が集まる、欧州理事会とは別の機関で、EUの法令の大半を欧州委員会の提案をもとに欧州議会と共同で採択する。欧州理事会はEU全体の方向と政治的な優先事項を決めるが、法律は制定しない。ETSについては、欧州委員会が7月17日に、産業の競争力を強化し、2040年の気候目標の達成を支えるため、的を絞った改正を提案している。

【発表資料】欧州理事会「European Council meeting (15 and 16 October 2026) – Conclusions」
【参照サイト】欧州委員会「EU Emissions Trading System (EU ETS)」
【参照サイト】欧州委員会「ETS2: buildings, road transport and additional sectors」

画像:Editorial credit: Cristi Dangeorge / Shutterstock.com

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Springl編集部

サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。