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経済協力開発機構、2023〜2025年の世界の生物多様性ファイナンスを年749億〜924億ドルと推計
経済協力開発機構(OECD)は2026年10月1日、政策文書「An overview of global biodiversity finance」を公表した。公的・民間、国内・国際のすべての資金源を対象に、世界の生物多様性ファイナンス(生物多様性に向けた資金)を推計し、2023〜2025年の年平均で749億〜924億ドルとした。推計の幅は、統計上の信頼区間ではなく、手法上の前提の違いを表す。
内訳で最も大きいのは国内の公的支出で、推計で年460億〜635億ドルと、全体の約3分の2を占める。国内の公的支出の推計は、世界のGDPの61%を占める104か国が対象で、2023〜2025年のデータが見つからなかったインドと米国は含まれない。上限の値には、欧州連合(EU)が生物多様性条約(CBD)に報告した年約175億ドルの支出も加えてあり、報告書によると、ある程度の二重計上を含む可能性が高い。
二国間・多国間の政府開発援助(ODA)などの公的国際資金は、2023〜2024年の年平均で161億ドルと推計された。この推計では、生物多様性を主な目的とする事業は全額を、重要な目的の一つとする事業は40%を計上した。民間の資金は国内と国際を合わせて年129億ドル(2023〜2025年の年平均)で、民間投資や慈善資金などを含む。
報告書は、時系列のデータが生物多様性ファイナンスの増加を示していると説明する。一貫した時系列のデータがある63か国では、生物多様性を主な目的とする国内の公的支出が、2018〜2020年から2023〜2024年にかけて実質で16%増えた。公的国際資金は同じ期間に94%増加した。今回の推計は、2015〜2017年のデータに基づく2020年のOECDの推計とは、データの範囲や手法が違うため直接は比べられない。報告書は、二重計上のリスクを抑えるため手法を保守的にしており、報告の不足やデータの欠落もあって、実際の額は今回の推計より大きい可能性が高いとの見方を示した。
生物多様性ファイナンスのデータについて、報告書は不完全で一貫性を欠き、透明でないこともあると指摘する。2026年9月中旬までにCBDへ第7次国別報告書を出した142の締約国のうち、国内の公的資金について定量的なデータを少なくとも一部報告したのは78、民間資金では42だった。政府機能別分類(COFOG)や環境目的分類(CEP)で関連する支出のデータがあるのに、直近の国内の公的支出をCBDに報告していない国は40か国で、うち13か国は第7次国別報告書を出していない。OECDは各国政府に向けて、報告の一貫性と比較可能性を高めること、報告する国を広げること、民間資金の測定と報告を強めることなどを提案した。
昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)の目標19は、あらゆる資金源から2030年までに年2,000億ドル以上を動員することを求めている。OECDによると、生物多様性の損失を反転させるには大規模な資金の動員が必要で、資金の追跡と報告を改善すれば、資金の動向がより明確になり、動員に向けた取り組みの支えになる。報告書は、2026年10月19〜30日にアルメニアのエレバンで開かれるCBDの第17回締約国会議(COP17)を前に公表された。
【プレスリリース】経済協力開発機構「Biodiversity finance reached USD 74.9-92.4 billion annually between 2023 and 2025, new OECD analysis shows」
【参照サイト】経済協力開発機構「An overview of global biodiversity finance」
【参照サイト】生物多様性条約事務局「Target 19」
画像:Editorial credit: Achim Wagner / Shutterstock.com
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Springl編集部
サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。














