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欧州保険年金監督局、保険会社のEUタクソノミー開示の見直しで最終助言。引受の指標の分母を適格な8種目に絞るよう提言
欧州保険年金監督局(EIOPA)は10月30日、EUタクソノミーの開示委任規則のうち保険・再保険会社の開示の見直しについて、欧州委員会への最終助言を公表した。EIOPAは、報告の簡素化、開示の透明性・比較可能性の向上、信頼できる情報の確保を目的に挙げた。引受の指標は、分子の計算方法をそろえ、分母を適格な8つの保険種目に絞り、名称を「Adaptation Underwriting KPI」に改めるよう勧めた。欧州委員会が検討を求めた、保険の対象のタクソノミー適合を測る指標は導入せず、5年後に再検討するよう助言した。
現行では、CSRDの対象の保険・再保険会社のうち生命保険以外が、引受のタクソノミー適合などを開示する。EIOPAが保険料の多い損害保険会社15社の2024年の年次報告書を調べると、適合は平均で保険料の約3%にとどまった。適格だが適合していない部分は約17%、適格でない部分は約80%だった。
助言では、適格の割合の分子に入れる保険料を、8種目で自然災害リスクを補償する契約のうち気候関連の災害に対応する部分だけとする。適合の割合の分子は、さらに適合の基準を満たす契約に限る。EIOPAは、保険料から気候関連の部分を切り分ける今の方法を残した。同機関によると、全額を計上すると適合の程度を過大に示すおそれがある。
分母は今の損害保険全体から、適格な8種目に限定するよう助言した。代替案として、気候変動適応に最も関わる3種目だけを義務とし、残る5種目は任意で加える形も示した。EIOPAは、意見募集で回答者の多くが提案した3種目だけの分母は、8種目を適格とする気候委任規則と合わないと指摘し、採らなかった。EIOPAの影響評価は、8種目への限定で今の分母の約30%が外れ、適合の割合が高く見える可能性があるとし、誤解を防ぐには計算方法の変更の説明が必要と指摘した。
EIOPAによると、引受の指標の名称の変更は、この指標が気候変動適応への貢献を測り、他の環境目的を含まないことを明確にするためだ。引受と投資の指標を加重平均する合成の指標は、「reference KPI」に置き換えるよう提案した。reference KPIは、生命保険会社では投資の指標、損害保険会社では引受の指標とする。兼営の会社は両方を開示し、保険料の多い活動の指標を示す。投資家がreference KPIで保険会社へのエクスポージャーを測る想定だ。
開示の様式からガスと原子力の内訳を外すよう勧めた。保険の対象の企業や物件の適合を示す「Green Insured Activities KPI」は、費用、方法上の難しさ、データの制約を理由に導入しないよう助言した。
EIOPAは欧州銀行監督機構、欧州証券市場監督局と共同で、金融機関の開示に運営費の指標を任意でも入れないよう勧めた。3機関はグループの報告で、親会社の完全な開示に、必要に応じて重要な子会社の簡素な開示を添えるよう助言した。
助言は、欧州委員会が委任規則の改正案を作るための材料だ。欧州委員会は依頼文で、2027年第1四半期に改正を採択する意向を示していた。
【プレスリリース】欧州保険年金監督局「EIOPA publishes its final advice on enhancements to insurers’ corporate disclosures under the EU Taxonomy」
【参照サイト】欧州保険年金監督局「Advice to the Commission on the review of (re)insurance disclosures under the Taxonomy Disclosures Delegated Act」
【参照サイト】欧州委員会「Call for technical advice to the European Supervisory Authorities on certain Taxonomy key performance indicators and other aspects of the Disclosures Delegated Act under Article 8 of the Taxonomy Regulation」
画像:Editorial credit: HJBC / Shutterstock.com
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Springl編集部
サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。














