ニュース / サーキュラーエコノミー

サーキュラーエコノミー国際

欧州委員会のロズウォール委員、EU包装規則の表示要件の適用前に市場に出た再使用包装に、要件のためだけの再設計は不要と回答

欧州委員会のロズウォール委員は10月29日、EUの包装・包装廃棄物規則(PPWR)と既存の再使用包装の扱いを問う欧州議会議員の書面質問に、同委員会を代表して回答した。新しい表示要件の適用前に市場に出した再使用包装は流通を続けられ、その要件を満たすためだけに再設計する必要はないとの見解を示した。

質問した議員は、飲料業界などでガラス瓶や樽などの再使用システムが長年運用されている一方、流通中の包装へのPPWRの新しい要件の適用と再使用回数の記録方法が不透明だと事業者が警告していると説明した。議員は個別の表示と追跡の費用や、包装の引き揚げによる廃棄物の増加を挙げて、3点を尋ねた。

1つ目の問いは、新しい表示要件の発効前に市場に出した再使用包装が改修なしで寿命が尽きるまで流通できるかだった。回答は流通を続けられるとしたが、寿命が尽きるまでとは述べていない。回答によると、表示要件は再使用包装を含むすべての包装に、仕様を定める実施法令の発効から24か月後に適用される。この実施法令は準備中だ。

回答とは別に、規則の第12条1項の材質の表示は、電子商取引を除く輸送包装とデポジット制度の包装には適用されない。同条2項は、運営者のいない開放型の仕組みを除き、2029年2月12日か実施法令の発効から30か月後の遅い方以降に市場に出す再使用包装に、再使用できることを示す表示を求めている。

欧州委員会の6月のガイダンスは再使用の輸送包装について、2025年2月11日より前に市場に出したものは機能の陳腐化や運用上の制約で再使用システムから外れるまで流通でき、それ以降で表示要件の適用前のものは2032年2月までに表示要件を満たす必要があるとしている。この説明は、実施法令を8月までに採択するとしていた時点のものだ。

2つ目の問いは、包装を個別に追跡せずに、信頼できる統計・運用データで循環回数の要件への適合を示せるかだった。回答によると、第12条1項に基づく今後の表示の実施法令が、回転数の算出に必要なデータと方法を事業者に示す。回答は、統計・運用データで足りるかどうかや、個別の追跡の要否を明言していない。

3つ目の問いでは、文書の作り直しや附属書VIへの適合の証明なしに、既存の再使用システムが規則に適合するとみなされるかを尋ねた。回答は、PPWRが再使用システムの要件を満たす手段として既存のシステムを明示的に認めていると述べた。このため、既存の再使用システムは第26条と附属書VIの該当する要件を満たす限り、使い続けられるとした。回答は、文書の作り直しや適合の証明が不要だとは述べていない。

今回の回答は、新しい決定や規則の改正を示していない。

【発表資料】欧州議会「Answer for question E-003393/26」
【参照サイト】欧州議会「Question for written answer E-003393/2026 to the Commission」
【参照サイト】欧州議会・EU理事会「Regulation (EU) 2025/40 of the European Parliament and of the Council of 19 December 2024 on packaging and packaging waste, amending Regulation (EU) 2019/1020 and Directive (EU) 2019/904, and repealing Directive 94/62/EC」
【参照サイト】欧州委員会「Guidance document for Regulation (EU) 2025/40 on packaging and packaging waste」

この記事をシェア

この記事を書いた人

Springl編集部

サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。