ニュース / 人的資本・DEI
人的資本理論の実証化研究会、日経225の170社の人的資本開示を採点。必要な能力の到達水準を目標に示した企業は4.1%
一橋ビジネススクールの小野浩教授らが共同座長を務める人的資本理論の実証化研究会は10月26日、日経225の構成銘柄で3月期決算の170社について、有価証券報告書の人的資本の開示を採点したレポートを公表した。2026年3月期では、人材戦略の指標について将来の数値目標を置いた企業が109社(64.1%)あった一方、必要な能力の到達水準を目標に示した企業は7社(4.1%)だった。
研究会は各社の開示を2つの軸で1〜5点に採点する。軸①は人的資本投資の評価指標が経営成果とつながっているか、軸②は投資対象となる必要な能力を具体的に示しているかをみる。対象は2024年3月期からの3年度分で、各年度とも構成銘柄だった企業に限る。2025年3月期以降は、人による評価基準をもとにつくったAI採点モデルで評価した。109社は軸①が4点以上、7社は軸②が4点以上の企業だった。
前年度と比べると、軸②の平均点は2.18点から2.35点へ上がり、点が上がった企業は42社あったが、到達水準を目標に示す企業の数は同じ7社だった。
研究会は、同じ170社について、日経225に連動する指標を基準に、評価の変化に合わせて銘柄の比率を増減させた試算も示した。2024年7月〜2026年6月の2年間で、期待アクティブリスクを5%とした年率超過収益率は、軸①を使うと+1.59%、軸②では+1.04%だった。どちらも年ごとにプラスだったが、幅は年によって違う。研究会は、過去データによる試算で将来の成果は保証しないと断っている。試算に使った評価は事後に整えたもので、開示の内容を採点しており、従業員の能力を直接は測っていない。
研究会は、エンゲージメントスコアを能力の発揮度合いを表す指標と位置づけ、能力と区別している。能力を測ってその変化を数値で示す開示が投資家に伝わるとの見方も示した。運営事務局は、人の能力を数値化する評価の仕組みを手がけるInstitution for a Global Societyで、共同座長の福原正大慶應義塾大学経済学部特任教授が同社の代表取締役会長CEOを務める。
【プレスリリース】Institution for a Global Society「人的資本理論の実証化研究会、日経225企業の人的資本開示を評価|能力の到達レベルまで目標を示す企業は4%」
この記事を書いた人
Springl編集部
サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。














