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ベター・コットン・イニシアチブ、インパクト報告書を公表。ライセンス農家の69%が参加後に綿花1kg当たりの合成窒素を削減

綿花栽培の基準を運営するベター・コットン・イニシアチブ(Better Cotton Initiative、BCI)は2026年10月7日、5年ぶりとなる「Global Impact Report」を公表した。BCIが集めた2017〜2025年の9年分の圃場のデータをもとに、BCIの基準を採り入れた農家の変化と、残る課題をまとめた。

主な数字は、BCIライセンス農家がBCIに参加してから2024-25年のシーズンまでの変化を示す。BCIライセンス農家は、認証を受けた生産者グループか大規模農場に属する登録農家で、BCIコットンとして販売できる。国ごとに参加の時期が違い、質を満たさないデータを除いているため、対象の期間とデータの範囲は指標ごとに異なる。人数は推計で、小規模農家のデータは無作為に選んだ標本から集めている。

参加後、BCIライセンス農家の69%(推計81万8,000人、平均27%減)が綿花1kg当たりの合成窒素の使用量を減らし、65%(推計80万5,000人、平均25%減)が1ha当たりの合成農薬の有効成分の使用量を減らした。綿花1kg当たりの炭素フットプリント(土地利用の変化と綿繰りによる排出は含まない)を下げた農家は54%で、平均の削減幅は25%。全面的に灌漑する農家では、データの質を満たした農家の52%(推計42万1,000人)が綿花1kg当たりの灌漑水の量を平均29%減らした。報告書は、合成窒素の使用量は土壌の健康をみるための代替の指標で、農家の取り組みの全体はとらえきれないとも断っている。

小規模農家では、綿花の価格を一定とみなして比べると、59%(推計72万1,000人)が1ha当たりの綿花の純所得を増やした。BCIは純所得を粗利益で測り、綿花の収入から種子・肥料・労賃などの変動費を差し引いて求める。増やした農家の平均の増加率は26%で、横ばいだった農家は13%(推計16万2,000人)だった。ただし同じ期間に、種子綿1kg当たりの実質の受取額は、ほぼすべての生産者グループで下がった。

女性の参画では、現場でBCIのプログラムを担うフィールド・ファシリテーターと、生産者グループの管理職に占める女性の割合が、いずれも2019-20年のシーズンの9%から2024-25年のシーズンには17%に上がった。一方、登録農家に占める女性の割合は10%未満にとどまる。

報告書は、進み方が一様でない分野も挙げた。作物の保護では、多くの小規模農家が合成農薬への依存を減らした一方、ブラジル、オーストラリア、米国の大規模農場では、害虫の圧力の高さなどから、1ha当たりの農薬の使用量や有害性の高い農薬への依存が高いか、減らしにくいままだ。一部の小規模農家の地域で綿花1トン当たりの合成窒素の使用量が多いことや、温室効果ガス排出量のばらつきが、国ごとに異なる生産の仕組みや気象、現地の条件を映してなお大きいことにも触れた。所得については、国によって進み方に大きな差があり、投入資材の費用や綿花の価格といった、BCIがおおむね左右できない要因が大きく影響しうると記した。

【報告書】BCI「BCI’s first Global Impact Report in five years reveals measurable progress at scale」
【参照サイト】BCI「Global Impact Report 2026」
【参照サイト】BCI「2026 Global Impact Report」

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Springl編集部

サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。