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欧州中央銀行の役員、自然の劣化は金融安定に影響しうるとCOP17で講演。ユーロ圏企業の72%が生態系サービスに依存と指摘
欧州中央銀行(ECB)で役員会メンバーと監督委員会の副委員長を務めるフランク・エルダーソンは10月26日、エレバンで開かれた生物多様性条約COP17の金融・生物多様性デーで基調講演した。同氏は、自然の劣化が物価の安定、金融の安定、銀行の安全性と健全性に影響しうると述べ、自然の保護と再生を単なる支出でなく投資と位置づけた。
ECBの分析では、ユーロ圏の企業の72%が少なくとも1つの生態系サービスに依存する。ユーロ圏の企業向け融資の75%は、少なくとも1つの生態系サービスへの依存度が高い企業に向かう。2つの数字は、ECBの2023年の論文に基づく。
エルダーソンによると、生態系が劣化すると企業はコストの上昇や生産性の低下、サプライチェーンの混乱に直面し、その影響はすでに企業からバランスシート、金融システムへと広がっている。ECBとロンドン・スクール・オブ・エコノミクス、オックスフォード大学が関わった研究では、100年に1度の干ばつが起きると、ユーロ圏の経済生産の最大24%がリスクにさらされる可能性がある。
エルダーソンは、中央銀行が自然を扱うのは環境政策を決める側になるからではなく、自然の劣化の影響が自らの責務に及んでいるためだと説明した。金融政策では、ECBは極端な熱波や干ばつのあとの食料価格の上昇を物価の上振れリスクとみており、ここ数四半期の評価と情報発信で自然のリスクを明示してきた。
銀行監督では、ECBは重要な気候リスクだけでなく自然関連リスクの特定と管理も銀行に求めている。ECBの監督下にある銀行の90%超は、気候・自然リスクに重要なエクスポージャーがあると自ら認識し、いずれもリスク管理の基礎的な枠組みを整えた。ただし、ECBによると自然関連リスクは気候リスクより対応がかなり遅れており、銀行の3分の2はその重要性評価をリスク管理に体系的に結び付けていない。
エルダーソンは、自然の保護と再生には公的資金に加えて民間資金の流れを大幅に増やす必要があると述べた。同氏は、自然関連の金融リスクをバーゼル銀行監督委員会や金融安定理事会、国際通貨基金でも議題に据え続ける必要を訴えた。
【発表資料】欧州中央銀行「Taking action for nature – investing in economic resilience and prosperity」
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Springl編集部
サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。














