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埼玉大学の研究、GX移行債でグリーンウォッシュへの懸念が最も強い個人の求める利回りは懸念なしより15.6bp高いと予測

埼玉大学は10月25日、GX移行債について、グリーンウォッシュへの懸念が最も強い投資家は懸念のない投資家より高い利回りを求めるとの予測を含む研究成果を発表した。大学院人文社会科学研究科の有賀健高教授が率いるチームが、ポーランドのヴロツワフ大学と埼玉大学の博士課程の学生各1人と行った研究で、論文は10月7日に学術誌「International Review of Economics & Finance」にオンラインで掲載された。

GX移行債は、日本政府がGXの枠組みで2024年2月に初めて発行した国債だ。環境に良い事業を明確に定めて資金を充てることが多い通常のグリーンボンドと違い、炭素集約型の産業がよりクリーンな操業へ段階的に移るのを支える。チームは、金融の経験がある日本の個人644人を調査し、資産の規模や環境への選好、グリーンウォッシュのリスクの受け止めなどが、求める利回りにどう影響するかを統計で分析した。

投資家が求める上乗せの利回りは平均でほぼゼロで、チームは相反する選好が打ち消し合っている可能性を指摘した。ESG関連の債券をすでに持つ投資家は、約3.4ベーシスポイント(bp)低い利回りを受け入れる意向を示した。一方、金融資産が1億円以上でESGを重視する投資家は、同等の通常の国債より9.4bp高い利回りを求めると予測された。

グリーンウォッシュへの懸念の強さで見ると、求める利回りの予測値は、懸念のない層の10.8bpの割引から、懸念が最も強い層の4.8bpの上乗せに変わり、差は15.6bpだった。満期前に売りにくいとの懸念も、約4.5〜5.7bpの上乗せと結びついていた。

有賀教授は、明確な移行計画や独立した検証、進捗の透明な報告が、投資家の信頼の向上と不確実性の低減の助けになりうると述べた。チームは、結果が実際の債券の取引ではなく投資家の表明した選好に基づく点を強調した。実際の資金調達の条件でも同じ傾向が続くかは、市場の取引データを使った研究で確かめる必要があるという。

【プレスリリース】埼玉大学「Greenwashing fears may drive up the cost of climate finance」

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Springl編集部

サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。