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英LSEのTPIセンターによると、3年続けて評価した世界の大手26行でネットゼロ公約の平均点が33%から22%に低下

英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のTPIグローバル気候移行センター(TPIセンター)は10月13日、世界の大手銀行36行の低炭素移行への取り組みを評価した報告書「State of the Banking Transition 2026」を公表した。報告書は、銀行が全体として低炭素への意欲を弱め、公約や目標、方針を取り消した銀行もあると指摘した。

TPIセンターは、アセットオーナーが主導する投資家の取り組み「Transition Pathway Initiative」の学術面のパートナーを務めるLSEの研究機関だ。36行について、公開情報だけで、9分野の移行の取り組みと、セクター別の削減目標の範囲と、国際的な気候目標との整合を評価した。

9分野の72項目のうち36行が満たした割合は平均21%で、3分の1を超えた銀行はなかった。3年続けて評価した26行では、9分野中8分野で点数が横ばいか低下した。下げ幅が最大のネットゼロ公約の分野では、満たした項目の割合の平均が2024年の33%から22%になった。この分野を地域別にみると、北米の銀行が33%から12%、欧州の銀行が42%から29%に下がった一方、日本の銀行は56%から67%に上がった。

報告書によると、2050年までに投融資などに伴う排出をネットゼロにすると明示して約束する基準を、7行が満たさなくなった。公約を取り消して緩い表現に替えた銀行や、2050年の目標は残しながら「公約」ではなく「意欲」と位置づけ直した銀行がある。

TPIセンターのサイモン・ディーツ研究ディレクターは、ネットゼロ公約からの後退は「深く憂慮すべき」だが、洪水や熱波、エネルギー市場の変化は銀行の融資先や保有資産に影響し続けると述べた。そのうえで、投資家は銀行が気候リスクをどう評価しているかを理解する必要があると指摘した。

報告書は今回新たに財務諸表での気候関連リスクの扱いも取り上げた。36行のうち30行が年次報告書で気候関連リスクを主要なリスクとしていた一方、財務諸表でそのリスクを見積もる際の会計上の仮定や判断の開示は欧州の7行だけだった。

【プレスリリース】TPIグローバル気候移行センター「Banks are withdrawing or weakening their net zero commitments and climate-related policies, study finds」
【参照サイト】TPIグローバル気候移行センター「State of the banking transition 2026」

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Springl編集部

サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。