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ランセット・カウントダウン、2023年の世界の暑さ関連死は推計71万人で過去最多。71.5%は気候変動に起因
国際共同研究のランセット・カウントダウンは、2026年版の報告書で、2023年に世界で暑さに関連した死者が推計71万人と過去最多になり、うち71.5%は気候変動に起因すると示した。報告書は医学誌ランセットに毎年載る報告の10回目で、作成に協力した世界保健機関(WHO)は10月28日に内容を紹介した。
死者数は2006〜23年を対象にしたモデルの推計だ。暑さ関連死の指標の著者らは、死亡データベースをもとに開発したモデルで、データベースにない国も含む全ての国の気温と死亡の関係を推定し、世界疾病負荷研究の年間の死亡推計と組み合わせた。71.5%は、実際の気候と、人為的な気候変動がない想定の気温で推計した死者数の差から求めた。指標のデータによると、2023年の推計は実際の気候で約70万9,000人、人為的な気候変動がない想定で約20万2,000人だった。
暑さ関連死の年平均は、2016〜23年が約54万1,000人で、2006〜15年の約39万8,000人より36%近く多い。ただし、年平均の信頼区間は2016〜23年が約36万9,000〜68万1,000人、2006〜15年が約25万8,000〜51万6,000人と幅がある。指標の注記によると、分析は暑さと死亡の関係が時間とともに変わらないと仮定するため、適応が進んでいれば近年の死者を多く、適応に逆行する変化があれば少なく見積もる可能性がある。データの説明は、日別でなく年平均の死亡率を使うため死者全体を多く見積もる可能性も挙げる。
報告書によると、2025年は世界で暑さへの曝露により潜在的な労働時間が5,730億時間失われ、1兆700億ドルの所得の損失が生じた。報告書は、化石燃料関連の大気汚染による死者が2016年以降変わらない一方、汚染が減った70か国では年に推計32万3,000人の死亡を防いでいるとした。
報告書の著者らは、気候変動を世界的な健康上の緊急事態と正式に認めて対応するよう求め、そのためのWHOの新たな仕組みの策定を提言した。WHOは、既存の仕組みを気候関連の緊急事態への対応に使う措置を、報告書の提言に合わせて進めていると説明した。
【報告書】Lancet Countdown「The 2026 Global Report of the Lancet Countdown」
【参照サイト】Lancet Countdown「The 2026 Report of the Lancet Countdown on Health and Climate Change: A decade of escalating health harms and a decisive moment for all」
【参照サイト】Lancet Countdown「Heat-Related Mortality」
【参照サイト】Lancet Countdown「Heat-related mortality: deaths by period」
【参照サイト】Lancet Countdown「Heat-related mortality: confidence intervals」
【参照サイト】世界保健機関「Climate change is a growing health emergency, Lancet Countdown warns」
この記事を書いた人
Springl編集部
サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。














