ニュース / 情報開示・制度

情報開示・制度国際

欧州議会、SFDR改正の交渉入りが確定。議会案はトランジション区分の商品から化石燃料の採掘などで稼ぐ企業を原則除外

欧州議会で、サステナブルファイナンス開示規則(SFDR)の改正案について、理事会との交渉に入るという経済通貨委員会の決定が、10月5日に本会議で報告され、7日に確認された。交渉の土台となる文書は、同委員会が9月10日に賛成37、反対9、棄権4で採択した。欧州委員会が示した3つの商品区分を支持する一方、トランジション区分の商品から、化石燃料の探査、採掘、精製で収入を得る企業を原則として外すことなどを求める。

今回確定したのは交渉に入ることで、改正の中身はまだ決まっていない。手続きの上では、議会が第1読会の立場を決める前の段階にあたる。欧州議会によると、最終的な規則は、理事会との交渉で決める必要がある。

経済通貨委員会は、個人投資家がサステナブルな金融商品を比べやすくし、グリーンウォッシュを避けられるよう、欧州委員会案の「サステナブル」「トランジション」「ESGベーシック」の3区分を支持した。3区分とも、投資がサステナビリティに及ぼす主要な悪影響を開示し、人権侵害や国際人道法違反のある企業への投資を除外することも求めた。

トランジション区分は、まだサステナブルではない企業に資金を向ける商品の区分で、化石燃料の探査などで収入を得る企業の除外には例外を設ける。環境面で持続可能な活動に多く投資し、測定可能で期限のある排出削減の計画を持ち、化石燃料の新規案件よりも持続可能な活動に多くの資本を投じる企業は、除外の対象にしない。ESGベーシック区分の商品にも、化石燃料セクターへのエクスポージャーの開示を求める。

負担の軽減では、自社が環境と社会に及ぼす影響を開示するのは、規模が最も大きい金融市場参加者だけとする。専門投資家を適用の対象外とし、投資助言とポートフォリオ管理を規則の範囲から外すことでも合意した。ただし、顧客のサステナビリティの選好に実際に合うほかの商品を勧めることは妨げないとしている。

信頼性を保つため、区分に入る金融商品について、運用会社がデューディリジェンスとモニタリングの手順を設け、少なくとも年1回見直すこととする。化石燃料セクターへのエクスポージャー、温室効果ガス排出量、生物多様性の面で影響を受けやすい地域に害を及ぼす活動についても、運用会社に報告を求める。

報告者のヘルベン=ヤン・ヘルブランディ欧州議会議員は、改正案によって「サステナビリティをどう主張できるかがより明確になり、書類作業は大きく減る」と述べた。

【プレスリリース】欧州議会「MEPs vote for clearer, simpler sustainable finance disclosure rules」
【参照サイト】欧州議会「Sustainability-related disclosures in the financial services sector (SFDR) and key information documents for packaged retail and insurance-based investment products (PRIIPs)」

画像:Editorial credit: Fabrizio Maffei / Shutterstock.com

この記事をシェア

この記事を書いた人

Springl編集部

サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。