ニュース / 情報開示・制度

情報開示・制度国際

欧州委員会とドイツ、ドイツの水レジリエンス強化に関する共同声明に署名。加盟国で最初に構造化対話を完了

欧州委員会で環境・水レジリエンス・競争力のある循環経済を担当するジェシカ・ロスウォール委員と、ドイツのカルステン・シュナイダー連邦環境・気候保護・自然保護・原子力安全相は2026年10月5日、ベルリンで、ドイツの水レジリエンス強化に関する共同声明に署名した。欧州委員会が2025年11月に始め、順次すべての加盟国に広げる「構造化対話」を終えたのは、ドイツが最初となる。

構造化対話は、EUの水レジリエンス戦略の実施の一環として、EUの水の法令が定める環境目標の達成に向けた行動を加盟国と共同で加速するためのもの。2025〜2027年に加盟国ごとに技術的な会合を重ね、ロスウォール委員と水管理を担当する閣僚の政治的な協議でまとめる。水枠組み指令など3つの指令の実施状況の直近の評価で示した国別の勧告に沿って、加盟国が2027年までに水管理を改善できるよう支えることを目的とする。

声明で両者は、EUの水の法令の実施を共同で強め、環境目標を達成できていない根本的な原因を突き止めて克服することを約束した。声明は、国家水戦略を土台に、ドイツが水循環の回復と保護、水を賢く使う経済づくり、安全で手ごろな水と衛生の確保への取り組みを強める方法と、欧州委員会の支援を示した。水質汚染への対応を最優先の課題の一つとし、農業の持続可能な形への移行の支援も盛り込んだ。ドイツは、過去の鉱業による汚染への対応を州と連携した堆積物の管理などで加速するほか、肥料に関する規則を近く見直す。EUの関連法令の実施を続け、必要に応じて既存の下水処理場に第4段階の処理を加える。欧州委員会によると、この追加の処理は、今の施設では効果的に取り除けない医薬品の残留物や農薬、PFASなどの微量汚染物質を除く助けになる。

水不足への備えでは、連邦環境省が州と作る全国で調整した指針を2026年までに採択し、水不足のときの地域の優先順位の判断などのよりどころにする。ドイツは水の効率的な利用を促すため、取水料金の調和や連邦の取水料金の可能性を検討し、研究プロジェクトが2026年末までに結果を示す。

欧州委員会は水レジリエンス戦略の行動を通じて、研究とイノベーションの強化、デジタル化の加速、技能の向上、官民によるグリーン・ブルーインフラ投資の促進などで、ドイツの取り組みを支える。陸地の自然の保水を増やす取り組みを調整・拡大する「スポンジ・ファシリティ(Sponge Facility)」を2030年までに設けるほか、栄養塩による汚染を減らすための加盟国向けの支援ツールを2027年までに開発し、「欧州水アカデミー(European Water Academy)」を2026年までに始める。PFASでは、EU法のもとでの一貫した管理と、代替の促進に取り組むほか、現時点で適したPFASを使わない代替品や代替技術がなく、社会経済的に正当化される場合に使用を続けられる適用除外(移行期間など)が規制に含まれるようにする。欧州委員会と州の対話を促すため、ロスウォール委員はドイツの環境相会議(UMK)の今後の会合の1つに出席し、同国の水管理を話し合う。

【発表資料】European Commission「Commissioner Roswall & German Federal Minister Schneider commit to strengthening EU water legislation implementation」
【参照サイト】European Commission「Joint Statement by German Federal Minister for the Environment and Commissioner Roswall, as a result of the Structured Dialogue on the implementation of Water legislation」
【参照サイト】European Commission「Commission launches dialogues with Member States to ensure sustainable water management across Europe」
【参照サイト】Bundesministerium für Umwelt, Klimaschutz, Naturschutz und nukleare Sicherheit「Schneider: Deutschland braucht neuen Umgang mit Wasser」

画像:Editorial credit: Achim Wagner / Shutterstock.com

この記事をシェア

この記事を書いた人

Springl編集部

サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。