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欧州委員会、2027年2月の義務化を前に電池パスポートのFAQ第1版を公表
欧州委員会は2026年9月30日、EU電池規則に基づく「電池パスポート」について、よくある質問と回答(FAQ)の第1版を公表した。電池パスポートはQRコードで電池とつながり、電池規則が定める情報を参照できるようにする仕組みで、エコデザイン規則(ESPR)のデジタル製品パスポート(DPP)と共通の技術システムを使う。電気自動車用の電池、電動自転車・電動モペッド・電動スクーター用の電池、家庭用蓄電池、産業用電池(容量2kWh超)など、一定の種類の電池をEU市場に出す事業者が対象となり、欧州委が目安として示す日程では、2027年2月18日に義務化される。FAQは、責任の所在や登録、データの要件など12の分野について、問いと答えをまとめている。
FAQによると、電池パスポートの遵守と記載するデータについては、電池を市場に出す事業者が責任を負い続ける。第三者やEU域外の製造業者、セル製造業者などに書面で委任し、作成や更新を任せることはできるが、最終的な法的責任は移らない。EU域内の電池メーカーが完成品の電池をEU域内の車両メーカーに供給し、車両メーカーが車両に組み込むだけなら電池メーカーが責任を負い、車両メーカーがバッテリー管理システム(BMS)などを加えて電池を完成させる場合は車両メーカーが責任を負う。完成し安全に作動する電池を搭載した製品をEUに輸入する場合、電池は通常、製品の輸入時に市場に出されたことになり、輸入者が責任を負う。
2027年2月に電池パスポートが導入される時点では、カーボンフットプリント、再生材の含有、デューデリジェンスに関する情報はまだ求められない。これらの要件には別に適用日があり、デューデリジェンスの報告は2027年8月から必要となる。動的データの要件は、2027年2月の義務化の時点から適用される見込みだ。動的データは少なくとも、電池の状態が変わるときや、その変更を検討するとき(再製造・用途変更・リサイクルを判断するときなど)に更新する必要がある。
電池パスポート自体は、事業者や書面で委任を受けた事業者が保管してデータへのアクセスを管理し、DPPレジストリは主に登録とメタデータを記録する。レジストリへの登録は、APIを使うほか手動でもでき、自社のシステムから書き出して一括でアップロードすることもできる。2026年7月20日のレジストリ開始以来、ヘルプデスクが試験環境の利用などを支援している。レジストリでの事業者の本人確認(検証)は、使った電子識別手段の期限が切れたとき、遅くとも最初の検証から3年で失効する。
一般に公開する部分と、市場監視当局などに限る部分を除き、リサイクル業者や修理業者などがパスポートのどの部分にアクセスできるかは、今後の実施法で定める。制限された情報へのアクセスを定める実施法は、関係者との協議を経て策定が続いており、2026年10月か11月に「Have your say」で案を公開し、意見を募る見込みだ。
用途変更や再製造をした電池と、廃棄物となった後に再使用などの準備をした電池には新しいパスポートが必要になる。用途変更や再製造で作るパスポートは、前のパスポートとリンクさせる。単純な修理では新しいパスポートは要らず、電池がリサイクルされるとパスポートは存在しなくなる。
【発表資料】EU「EU Digital Product Passport FAQ for Batteries」
【参照サイト】EU「Digital Product Passport for Batteries (Battery Passport)」
この記事を書いた人
Springl編集部
サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。














