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欧州証券市場監督局、ファンドや債券のインパクトと気候移行の主張について注意点を公表。新たな規制要件は設けず
EUで金融市場の規制・監督を担う欧州証券市場監督局(ESMA)は10月12日、サステナビリティ関連の主張についてのテーマ別ノート2本を公表した。1本はファンドと債券によるプラスのインパクトの主張を、もう1本はファンド、債券、ベンチマークの気候変動の緩和に向けた移行の主張を扱う。市場で見られた良い例と悪い例を示し、伝え方を明確・公正で誤解を招かないものにして、グリーンウォッシュのリスクを減らすことを狙う。
ノートは教育を目的に市場の実務の観察からまとめたもので、新たな規制要件は設けない。ESMAは、進行中のSFDRの見直しなどに照らしても特定の方法や目指す水準を定めるものではないとし、明確・公正で誤解を招かない伝え方という既存の原則の理解を助けるものと位置づける。主張をする市場参加者として、発行体、運用会社、ベンチマークの算出機関などを挙げた。対象は販売用資料や任意の報告などの法定外の情報発信で、目論見書のように開示の基準が求める情報は含まない。悪い例の一部は、ESGをうたう債券などの目論見書の開示要件を満たさない場合があるとも注記した。
インパクトのノートによると、インパクトの捉え方や目指す水準は市場参加者によって異なり、投資家のインパクトと投資先のインパクトの混同などが見られた。ノートは、インパクトを生む意図、投資がなければ生まれなかったかを問う追加性、成果の測り方を明確に伝えるよう求める。投資先が生む成果と、資金が届きにくい市場への資本の提供といった投資家の行動による成果は別の概念で、区別しなければ誤解を招く主張になりうるとする。
すべきでないこととして、除外スクリーニングやESGリスクの指標をインパクトの基準の代わりにすること、上場証券を保有すること自体でインパクトが生まれるとほのめかすことを挙げた。債券の発行体には、発行が通常の資金調達を超えてインパクトにどう貢献するかの説明を促す。
移行のノートは、移行の主張が本質的に将来に向けたもので、前提や外部の要因に左右されうるため、不確実性が伴うと指摘する。そのうえで、移行で目指す姿、それを実現する戦略と行動計画、達成した進捗の3点を明確に伝える必要があるとした。ポートフォリオの脱炭素の目標を、実体経済の排出削減に等しいかのように示さないことも挙げた。
市場の観察では、移行で目指す姿を示したあと、その進捗を体系的に報告する例は少なかった。ノートは、進捗が見込みを下回ったときや目標の達成が見込めなくなったときに、理由と、是正措置があればその内容を含めて適時に伝えるよう求める。
2本は、ESG戦略などを扱った過去2本のノートに続く3本目と4本目で、ESMAは必要に応じて次のノートを出す。
【プレスリリース】欧州証券市場監督局「ESMA promotes clarity in claims on impact and transition」
【参照サイト】欧州証券市場監督局「Thematic notes on clear, fair & not misleading sustainability-related claims – Third Note: impact claims」
【参照サイト】欧州証券市場監督局「Thematic notes on clear, fair & not misleading sustainability-related claims – Fourth Note: Transition claims about climate change mitigation」
この記事を書いた人
Springl編集部
サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。














