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ERMが世界の投資の専門家に調査、ESG評価への信頼度は5段階で平均3.05。2023年の3.31から低下

サステナビリティ専門のコンサルティング会社ERMは10月7日、投資の専門家がESG評価をどうみているかを調べた報告書「Rate the Raters 2026: Beyond the score – Investor views on ESG ratings」を公開した。企業のサステナビリティのパフォーマンスをESG評価が正確に判断できるとどの程度信頼するかを5段階で聞くと、質問に答えた44人の平均は3.05で、2023年の調査の3.31を下回った。

ERMの研究組織ERM Sustainability Instituteが、2月17日から7月15日まで、ERMと同研究所のネットワークを通じて調べ、投資の専門家53人が回答した。回答者集めと調査の過程には、ESG評価機関のClarity AIと、機関投資家が独自に付けたESGの点数を集計するValueCoが協力した。回答者の所属組織の本社は欧州・中東・アフリカが49%、アジア太平洋が29%、北米が20%などで、運用資産は合わせて約23.5兆ドル。

信頼度の回答は半数が中程度の3で、2を付けた人と、4か5を付けた人がそれぞれ25%だった。報告書は、信頼の低下について、回答者が増えて地域も広がったことのほか、データの質への根強い懸念、資本市場でのESGへの監視の強まり、料金への不満などが組み合わさった結果の可能性があると指摘する。2023年の調査の回答者は33人(信頼度の質問は32人)だった。

評価機関ごとの質を5段階で聞いた質問でも、平均点は全体として2023年より大きく下がった。各年で最も高かった評価機関の平均点は、2023年の4.20に対し、2026年は3.50だった。2026年の首位はMSCIで、2023年の7位から上がり、質の平均点がわずかに上がった唯一の評価機関となった。

企業のESGの取り組みに関する情報源のうち投資判断に最も役立つものを上位3つ選ぶ質問では、ESG評価は2023年に53%が選んで首位に並んでいたが、2026年は31%で6位に下がった。上位は引き続き自社で行う調査と企業との直接の対話だった。報告書は、投資家はESG評価の総合的な点数よりその基になるデータを好み、評価もデータもほかの多くの情報と並ぶ材料の一つとして扱われるようになっているとみている。一方、半数を超える回答者が、投資の成果に関わる重要な情報が得られることを、ESG評価を使う理由に挙げた。回答者の大半は、サステナブルファイナンスの規制が、サステナビリティ関連の要件や定義への適合を示すことをより重視するにつれ、ESG評価とその基になるデータの自社での利用が増えるとの見通しを示した。

ERM Sustainability Instituteのディレクターのアイステ・ブラックリーは、ESGを考慮することが受託者責任とより密接に結びつくにつれてデータの質と透明性への期待が高まり続け、「誤りや不整合、データの欠落への許容度は下がっている」と述べた。

報告書は、評価を受ける企業に、質の高い情報開示を優先して正確で入手しやすく判断に役立つサステナビリティ情報をつくること、投資家がよく使う評価機関やデータ提供会社を把握して対応に優先順位を付けること、サステナビリティとIRの担当の連携を強めることを勧めた。評価機関には、品質管理を強め、訂正の手続きを改善し、データに問題が起きたときに速やかに支援することなどを提言した。

【報告書】ERM「Rate the Raters 2026: Beyond the score – Investor views on ESG ratings」
【参照サイト】ERM「RATE THE RATERS 2026 Beyond the score – Investor views on ESG ratings」
【参照サイト】ERM「ERM research reveals sharp drop in investor confidence in quality of data offered by ESG ratings providers」
【参照サイト】ValueCo「Extra-financial risks, as market perceives them.」

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この記事を書いた人

Springl編集部

サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。