ニュース / サーキュラーエコノミー

サーキュラーエコノミー国際

経済協力開発機構、加盟国から非加盟国へのプラスチック廃棄物輸出量が2024年に15%増と分析。世界の貿易量は7.7%減

経済協力開発機構(OECD)は2026年10月9日、プラスチック廃棄物・スクラップの国際貿易を毎年追う監視報告書の2026年版「Monitoring trade in plastic waste and scrap 2026」を公表した。2024年の貿易データを加えた分析で、世界の貿易量は前年比の減少幅が2020年以来の大きさとなった一方、OECD加盟国から非加盟国への輸出は2023年に続いて増えた。

報告書はOECD環境ワーキングペーパーの第279号で、この監視報告書としては6本目にあたる。国連の貿易統計データベース「UN Comtrade」の2013〜2024年のデータで、HSコード3915(プラスチックの廃棄物・切りくず・スクラップ)の貿易を集計した。ワーキングペーパーは暫定的な結果や進行中の研究を示すもので、加盟国の公式な見解を必ずしも反映しない。

世界の貿易量は2023年の670万トンから2024年は620万トンへ、7.7%(50万トン)減った。報告書によると、2023年の一時的な増加と、一部の国でUN Comtradeへの2024年分の報告が遅れたことで、この減少を部分的に説明できる。地域内の取引の比重は高まり、2024年は世界の貿易の59%が加盟国の間で行われ、欧州の加盟国どうしの取引だけで48%を占めた。

加盟国から非加盟国への輸出は、2024年に前年より21万トン(15%)増えた。22万トン(19%)増だった2023年に続く増加で、バーゼル条約とOECD理事会の決定の改正による国際的な規制が2021年1月1日に発効したあとの減少の一部を打ち消した。2024年に加盟国からの輸出量が多かった非加盟国は、マレーシア(67万トン)、ベトナム(43万トン)、インドネシア(26万トン)だった。報告書は、3か国とも輸入量が2021年と2022年を大きく上回り、より綿密で継続的な監視が要る傾向だと指摘した。

日本は2024年、加盟国で2番目に多くを輸出し、その90%にあたる62万トンを、マレーシアやベトナムなどの非加盟国に送った。塩化ビニル重合体のくずでは、日本は加盟国の中で非加盟国への最大の輸出国で、2024年に2万8,000トンを送った。

加盟国の間で取引されるプラスチックのくずは、非加盟国への輸出より1キログラムあたりの価格が高い状態が続き、2021〜2022年に縮んだ差は2024年に再び広がった。報告書は、加盟国から非加盟国へのより価格の低い輸出が増える動きが、比較的緩やかなペースながら2024年も続いたとみている。価格の差が続いていることは、非加盟国へ輸出されるものは加盟国の間の取引より品質が低く、リサイクルもより難しい可能性があることを示唆するとした。

報告書は、これらの動きは懸念され、さらに監視が要るとしつつ、より広い視点からも見る必要があると指摘した。2021年より前と比べると、取引の絶対量は少なく、取引されるくずの品質の差も小さい。報告書は、2024年の取引量620万トンを、OECDが別の報告書で示したプラスチック廃棄物の推計発生量と比べ、約1.6%にあたるとした。国ごとの違いも大きく、19の加盟国は2023年から2024年にかけて輸出の総量が減った。UN Comtradeのデータからは、輸出されたくずの最終的な行き先や、リサイクル・埋め立て・焼却といった処理の方法は分からない。プラスチックを含む廃棄物はHSコード3915以外の品目でも取引されうるため、集計がすべての取引を捉えていない可能性がある。

【報告書】経済協力開発機構「Monitoring trade in plastic waste and scrap 2026」
【参照サイト】経済協力開発機構「Monitoring trade in plastic waste and scrap 2026」

この記事をシェア

この記事を書いた人

Springl編集部

サステナビリティ推進担当者のためのメディア Springl の編集部です。制度・開示・調達・社内浸透まで、実務の現場で起きていることを、一次情報に当たって書いています。